カザドの歴史 第二紀編
トールキン #束adv Advent Calendar2015企画への参加記事になります。
前々回の黎明編、前回の第一紀に続き、かんたんですが第二紀のドワーフの歴史をまとめてみました。
このナンチャッテ歴史まとめも再三となりましたが、どうぞお付き合いいただければ幸いです。
※これより先は『新版シルマリルの物語』や『新版指輪物語10追補編』のネタバレを含みます
カザドの歴史 第二紀編
青の山脈から霧ふり山脈へ
第二紀において、中つ国の文化の中心は強制的にベレリアンドからエリアドールへ移ります。
怒りの戦いでベレリアンドが沈んだからです。
エレド・ルイン西部に暮らしていたカザドたちは、長髭族の都カザド=ドゥームへ移住しました。
そして中つ国に留まることを選んだエルフたちも、エリアドールの地に国を築くのです。
エルフとの友情
カザド=ドゥームでミスリルが発見されると、シンダールのケレブリンボールを主としてエレギオンが造られました。
都であるオスト=イン=エジルよりカザド=ドゥームへ公道が伸び、交易と金銀細工の技によって二つの種族は栄えました。
そして、かつては何処にも存在したことがなかった友情がカザドとエルフの間に生まれたのです。
七つの指輪
S.A.1500年頃、技を極めたエルフの金銀細工師たちが力の指輪を鍛え始めます。
その力の指輪の中でもカザドのために作られたのが七つの指輪で、この七つはカザドの七人の王の指に納められることとなります。
ですが、それはサウロンの謀りでした。
サウロンは美しい姿に変身してアンナタールと名乗り、エルフの金銀細工師たちの中でも重要なポジションへ潜り込み、カザドのための七つの指輪と人間のための九つの指輪に悪しき力を込めていたのです。
そして、自身のために全ての力の指輪を支配することのできる一つの指輪を作ると、エルフたちと争いを始めケレブリンボールを殺しました。
これによってエレギオンは荒廃し、長髭族たちはカザド=ドゥームの門を閉ざすことになります。
サウロンは七つの指輪を持つカザドの王たちを操ろうとしましたが、カザド特有の強靭な精神に阻まれ上手くはいきませんでした。
しかし、指輪に込められた悪意は長い時間をかけて王たちを、金銀財宝への欲望でもって蝕み自滅の道へと追い込むことになります。
一方サウロンは、エリアドールを席巻するもヌーメノールの大軍に敗れ、捕虜となり彼らの大海に浮かぶ島国へ連れて行かれました。
最後の同盟
ヌーメノールの活躍により取り戻された平和は、長く続きませんでした。
サウロンは、その知略でもってヌーメノールの国を滅ぼすと、中つ国へ返り咲いたのです。
そんなサウロンに対し、ヌーメノール人の生き残りとエルフはS.A.3430年に同盟を組みます。
これが最後の同盟です。
そしてS.A.3434年、中つ国の命運をかけて、生きとし生けるものたちは全て二手に分かれて戦いました。
ですが、この時のほとんどのカザドたちはどちらの側にもつきませんでした。
ただ唯一、長髭族だけがサウロンを敵として戦ったと記録されています。
この戦いで、折れたナルシルにより王子イシルドゥアが、一つの指輪をサウロンから切り離すとサウロンの体は消え失せました。
こうして冥王サウロンは滅んだと思われ、第二紀が終わったのです。
■参考文献
『新版シルマリルの物語』 J.R.R.トールキン著 田中明子訳 評論社 2002年
『新版指輪物語10追補編』 J.R.R.トールキン著 瀬田 貞二・田中明子訳 評論社 2003年
『中つ国Wiki』 http://arda.saloon.jp/
『Tolkien Gateway』 http://tolkiengateway.net/
2016/06/01 ネタバレの表記と記事の折りたたみを追加
2016/06/02 誤字修正