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ハーフエルフの系譜

 こちらはTolkien Writing Dayへの参加記事になります。

 

 謹んでエルフの新年のお祝いを申し上げます。

そして去年のアドベントに引き続き、このような機会に恵まれた事に感謝を。

 

 今回は前回と異なり、指輪物語の中でも(最近は外でも)有名なエルロンド卿が属するハーフエルフの系譜と、数字で見るその血筋について少しお付き合いいただきたく思います。

 

 

ハーフエルフの系譜

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 最初に謝罪いたします。たぶん、わかる方には直ぐわかるかと思いますがアドベントの時から、ずっと、唾棄すべき行為と知りつつ表計算ソフトで画像を作っています。

汝の名はExcel方眼紙、罪ありき。ごめんなさい。

 

そして本来のトールキン世界でのハーフエルフ(半エルフ)の定義にディオルは含まれません*1が、主旨に血の割合をとりあげているため今回のみハーフエルフとさせていただきます。

 

3つの種族と3つの氏族

裂け谷の領主、「最後の憩」館の主、風の指輪ヴァルヤの守護者、ハーフエルフなるエルロンド卿。最近はSF映画*2スマホアプリ*3でも、その名を轟かせる彼の家系図が上記になります。

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彼は中つ国の物語の中で、主に父方のノルドール勢力に身を置きますが、その血筋は多岐にわたる混血です。マイア・エルフ・人間の3つの種族の血は、同時にエルフ3氏族とエダイン*43氏族の血でもあります。

 

それゆえ、祖父方の血を重んじた双子の弟エルロスはヌーメノール*5の王となり人間として生きることを選んだのでしょう。

(このあたり登場人物の意思決定の根底に、トールキン教授のカトリック的なホモソーシャル観がうかがえ、たいへん興味深く感じるのですが、それはまた別の機会に。)

 

ハーフエルフの血

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上の図は、ハーフエルフを種族・氏族ごとに血の割合を数値化したものになります。(端数は勝手にExcelが処理しました)

 

パっと見で感じたのは、テレリとベオルの割合の多さです。

エルウィングはシンダール*6の姫なので納得するほかないのですが、思わず「ちょっとベオル、最初に領地が無くなったエダインの氏族なのにでしゃばりすぎでは??」と考えてしまいました。

いや、これは逆なのかもしれません。

土地を追われた*7民だからこそ、血を残したと角度を変えて考えるべきなのでしょう。

 

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興味深いのは航海者エアレンディルです。

彼はノルドールの王子でありながら、ノルドールの割合が一番すくなくなっています。

これは如何なることかと云うと、最初の家系図を参照していただきたいのですが、フィンゴルフィンの妻・アナイレの種族が調べてもわからなくて「?」にしてしまった私のせいです。

(詳しい方がいらっしゃいましたら、是非ともご教授願います。)

⇒教えて頂きました。アナイレさんはノルドール、アナイレさんはノルドールだそうです。

 

単純にノルドールの上級王の妻ならノルドールであると推論して、「?」をノルドールの数値にしてしまっても良かったのですが、物語の上で彼女はテレリ*8の姫エアルウェンの親友とされており、非常に判断に苦しんだ上で「?」といたしました。

ここでも出てくるのか、テレリ。

(一方でカランシアのフィナルフィンの息子達への謗りを考えるとノルドールな気がします。ただアナイレの名はクェンヤで「神聖な」という意味があるそうで、そもそもエルフでない可能性もあるのかもしれません。)

そして、アナイレをエルフとするとエアレンディルのエルフ:人間が5:5に、アナイレをエルフでは無いとするとエルロンド・エルロスがエルフ:その他で5:5になり、これも判断を悩ませるところです。

父方のトゥオルはハドル家の人間なのに、ベオルの血が濃いのは前述に同じです。

また、中つ国への帰還をしていないにも関わらずノルドール王家にはヴァンヤールの血が継がれ、ヴァンヤールの血を継ぐ者はいつの時代も、中つ国で重要なポジションであるのが面白いと感じました。

 

物語のキーマン

中つ国の高貴なるエルフとエルフの友たるエダインの間に生じた絆の結晶がハーフエルフです。

なかでもエルロンドとエアレンディルは、その存在が中つ国の自由の民の行く末を決定づけたといっても過言ではありません。

 エアレンディルの西方への航海がなければ、エルロンドが会議で指輪の破壊を提案しなければ世界は闇に覆われていたことでしょう。

ひょっとしたら物語のキーマンである彼らこそが、イルヴァタールの恩恵そのものなのかもしれません。

 

2016/04/06 アナイレに関する考察を訂正

2016/04/07 脱字の訂正とアイキャッチ画像の修正

2016/06/06 折りたたみを追加

*1:ヴァラールによる裁きと選択権が無いため

*2:映画『オデッセイ』

*3:Fate/Grand Order

*4:第一紀にエルフの友であった人間

*5:第二紀まで生き延びたエダイン達の王国

*6:テレリの中で更に分岐した氏族

*7:ダゴール・ブラゴルハでベオルの族が暮らしていたドルソニオンは焼き尽くされ、恐ろしい迷いの森となった

*8:ファルマリ